Pub Antiquarian 『新青年』研究会のブログ

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★1月20日、1月例会が豊島区勤労福祉会館にて開かれました。
発表は、湯浅篤志さん「少女小説作家としてのペンネーム『花房春村』」と末國善己さん「野村胡堂の探偵小説について」でした。



湯浅篤志さん「少女小説作家としてのペンネーム『花房春村』」
・雑誌『新青年』の主幹だった森下雨村の新しい発見されたペンネーム「花房春村」の位置づけを行ないました。花房春村名義の「消えたダイヤ」(『少女倶楽部』大正14年3月号〜大正15年5月号)における少女の位置づけを、当時のジェンダー的視点で考え、『怪星の秘密』(『少女の友』大正5年1月号〜12月号)に見られる少女のポジションとの比較を通して、森下雨村における少女小説の方法を考察しました。



末國善己さん「野村胡堂の探偵小説について」
銭形平次で有名な野村胡堂の探偵小説について新たな掘り起こしを行ないました。胡堂は、「銭形平次捕物控」を書く昭和6年よりも前に、報知新聞社時代に、現代物の「花房一郎探偵シリーズ」を書いています。そのシリーズの特徴について、科学的捜査、先端風俗、上流階級の生活、音楽の側面から考察し、また、江戸川乱歩との交流にも焦点をあてて、さまざまな作品を紹介しました。