Pub Antiquarian 『新青年』研究会のブログ

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★3月10日、3月例会が豊島区勤労福祉会館にて開かれました。



発表は、横井司さんの「戸田巽のこと」と、浜田雄介さんの「探偵実話について」でした。

横井司さん「戸田巽のこと」
・探偵小説作家、戸田巽の略歴と新たな書誌の報告を行ないました。明治39年に神戸で生まれた戸田巽は、昭和のはじめ、三越百貨店神戸支店に勤める傍ら、同人誌活動に従事。昭和3年度の『サンデー毎日』の懸賞募集/第3回「大衆文芸」に「二重殺人」を投稿し、乙種の選外佳作になりました。昭和6年からは、『猟奇』『新青年』『ぷろふいる』などに作品を載せるようになり、戦後もさまざまな雑誌で活躍。昭和50年代には、同人誌『少年』に活動の場を移しました。



浜田雄介さん「探偵実話について」
・明治20年代後半、新聞に登場した「探偵実話」についての紹介を行ないました。「探偵実話」は、新聞や雑誌などから単行本、そして浪花節にいたるまで、さまざまなメディアにのって人口に膾炙していったわけですが、今回は、黒岩涙香退社後の『都新聞』に掲載された「探偵叢話」をとりあげました。その内容、文体、小説性などをみることで、「探偵叢話」連載時に生じた書き手の変化のプロセスが、どのような意味をもっているかを考察しました