Pub Antiquarian 『新青年』研究会のブログ

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8月31日、8月例会が専修大学神田校舎で開かれました。


発表は、天瀬裕康さんの「乾信一郎の隠れた業績――悲しいからユーモアを――」でした。
そのほか、運営会議が行われ、『新青年』趣味13号「角田喜久雄特集」の進行、ミセレイニアス・コレクション『浜尾四郎集』の刊行予定、10月6日に開催予定の「久生十蘭を語る」の会場についてなどが話し合われました。




天瀬裕康さん「乾信一郎の隠れた業績 ――悲しいからユーモアを――」

乾信一郎は、ユーモア作家・海外ミステリーの翻訳者として知られていますが、『新青年』での活躍、また動物小説の先覚者としても注目されています。しかし、戦後に広島図書株式会社の発行していた教育雑誌「ぎんのすず」(小学校低学年向け)、「銀の鈴」(高学年向け)、「銀鈴」「理科と社会科」「青空」(中学生向け)に書いたさまざまな作品群に対して、あまり掘り起こしが行われていません。それらの作品を紹介しながら、彼の生涯にもふれ、少年時代に感じた弱者に対する思いが、戦後の少年少女小説を描くときのモチーフになっていたことを分析しました。なお、詳細は「〈ぎんのすず〉と乾信一郎――悲しいからユーモアを――」(『すずのひびき』第4号、ぎんのすず研究会、2007年3月31日発行)をご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/sinseinen/20070331