Pub Antiquarian 『新青年』研究会のブログ

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12月19日、12月例会が専修大学神田校舎で開かれました。

発表は、浜田雄介さんの「「半七捕物帳」と探偵小説史について」でした。 

浜田雄介さん「「半七捕物帳」と探偵小説史について」

岡本綺堂「半七捕物帳」の成立の周辺をたどり、探偵小説の歴史を見るには『新青年』を独立させるのではなく、むしろ『文藝倶楽部』を軸とした布置で考えるべきではないかという提唱がされました。さらに「半七捕物帳」に描かれるのが、さまざまな限界性と共存する生活世界であること、そこで展開される推理やドラマツルギーが、明治の探偵実話と江戸川乱歩以降の探偵小説との中間に位置し、探偵小説とは異なる可能性を持っていたことを示しました。昭和期の久生十蘭横溝正史の捕物帳シリーズについても言及がありました。