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「一九三〇年代の大衆雑誌における探偵小説の位置について」

★ 12月17日(土)に行われる日本近代文学会東海支部 第57回研究会「特集 幻想の乱歩」において、柿原和宏さんが「一九三〇年代の大衆雑誌における探偵小説の位置について」を発表されます。また、小松史生子さんが講演をされます。


・日本近代文学会東海支部 第57回研究会

日 時 2016年12月17日(土)13:00〜

会 場 東海学園大学 名古屋キャンパス3号館331教室。
アクセス https://www.tokaigakuen-u.ac.jp/about_us/access/nagoya_campus.html
※正門から入り、左斜め前方に見える建物が3号館となっております。
名古屋市営地下鉄鶴舞線原駅より、バス5分→「平針南住宅」下車徒歩3分。
・「平針南住宅」には、原駅2番出口前から発車するバスのすべてが停車します。

内容(敬称略)
 13:00〜 研究発表
  柿原和宏「一九三〇年代の大衆雑誌における探偵小説の位置について」
  ※コメンテーター 柳瀬善治

 14:00〜 講演
  小松史生子

 15:00〜 講演
  芦辺拓

 16:00〜 トークセッション
  司会 大橋崇行

・特集「幻想の乱歩」趣旨
2015 年は江戸川乱歩の没後50 年に当たっていた。そのため、2016 年からは著作権の切れた作家の作品を掲載するインターネット上の電子図書館青空文庫」において乱歩作品の無料公開が始まっているのをはじめ、各社から単行本の刊行がなされている。また、ミステリー文学資料館(一般財団法人光文文化財団)の展示「没後50 年 ── 不滅の江戸川乱歩展」(2015 年9 月1 日〜10 月3 日)、乱歩作品を翻案したTVアニメーション「乱歩奇譚 Game ofLaplace」(2015 年7 月3 日〜9 月18 日)の放送、『ハヤカワミステリマガジン』(早川書房)2016 年5 月号の小特集「幻想と怪奇 乱歩と漱石をつなぐ」などをはじめ、2015 年から16 年にかけて、乱歩をめぐるさまざまな言説が編成されている。
ここで注意したいのは、これら言説において、日本の探偵小説の基礎を築いて雑誌『宝石』を中心に多くの作家を見いだし、あるいは「エロ・グロ・猟奇」を前面に押し出した作品を書いていたという、旧来の乱歩像が再生産されていることである。
しかし乱歩という作家、そして乱歩が書いた作品は、本当にそうした「乱歩」像に収まるものだったのだろうか。あるいは、私たちが抱えている「乱歩」像が、乱歩作品を読むときに先入観として働き、私たちはある種の「幻想」としての「乱歩」を見てはいないだろうか。
本特集は、乱歩にゆかりのある名古屋という場で、あえてこうした「幻想の乱歩」を読み直すための手がかりを探っていこうとする試みである。
柿原和宏氏による研究発表のほか、ミステリ作家・芦辺拓氏、探偵小説をはじめとした通俗小説を研究している小松史生子氏の講演、会場からの質疑を交えたトークセッションと、さまざまな視点から、乱歩について多角的に考えていきたい。